利益が特定の個人の満足感や利益を指すのに対して、不特定多数の人々に、あるいは自然界や次世代のために満足感や利益をもたらすことやものを「公益」と呼ぶ。社会資本整備や美化活動、環境保全活動がその代表的な例で、これまでは、行政や公共法人などのいわゆる公的セクターが担うとされてきた。しかし、近年、企業の社会貢献活動や企業市民という考え方の広がり、またNPOの登場・活躍とともに、公益の担い手は広がりつつある。類似する言葉に「共益」があるが、こちらはマンションの住民や同窓会、寺社の檀家や氏子など、特定の集団・グループのメンバーに共通の利益を意味する。
なおNPOの場合には、その活動や目的が「公益」に資するものであることが、NPOと趣味の活動を分ける分岐点になるともいえる。
(2004年10月)