北陸の地震被災と日本の課題

中越沖地震はどのように報じられたか-新聞報道分析にみる被災地の課題

地震発生直後は2000件超の報道 1ヶ月で記事数は2分の1以下に

中越沖地震の発生は平成19(2007)年7月16日午前10時13分。その日は「海の日」で夕刊は休刊のため、新聞による報道は翌17日の朝刊から始まった。

全国紙5紙(朝日、毎日、読売、産経、日本経済)の報道状況を見ると、地震発生直後の1週間(17〜23日)における中越沖地震に関連する記事の数は合計で2,040件に達している。その後は次第に減少を続け2週間後には1,444件、8月の上旬(1〜10日)には974件と当初の半分以下となっている。(図1)

図1 中越沖地震に関する新聞報道の推移

グラフ
7月 8月 9月
17〜23日 24〜31日 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬
朝日 419 270 185 115 173 133 72 75
毎日 524 477 324 155 158 103 83 74
読売 531 331 225 144 198 118 100 78
産経 240 141 104 57 42 23 16 22
日本経済 326 225 136 95 77 73 57 41
合計 2,040 1,444 974 566 648 450 328 290

(編集部作成)

8月末には応援に出動した自衛隊が引き上げるといったこともあり、記事件数が若干増加するものの、以降再び減少。9月の下旬には5紙あわせて10日間で290件となった。これは地震発生当初の報道件数と比べると1割強程度の水準である。

地元である新潟日報では、毎日のように被災地や住民の姿などをきめ細かく報じており、それを目にする被災者を元気づけているものの、全国で「中越沖地震」という言葉を目にする機会はまさに75日ほどで大きく減少していることが分かる。

※「中越沖地震」をキーワードとした記事検索で出現した件数。そのため地震に直接関係ない記事も含まれる

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