北陸地域(北陸4県)の建設投資額も減少を続けており、2006年度には2000年度に比べ約1兆円減(27%減)の2兆8,235億円にまで落ち込み、その後も2兆7,000億円前後で推移すると見込まれている。
特に民間に比べて政府建設投資額の落ち込みが大きい。2000〜2006年度の7年間で、民間の建設投資額は3,000億円程度減少しているものの、1兆4,000億円前後で推移している。一方公共部門の投資額は、同じ期間に約7,000億円の減少となっている(図5)。
図5 北陸地域の建設投資額の推移(名目)
【出典】国土交通省「建設投資見通し」2007年度以降の政府・民間の内訳は未発表
北陸地域は4県ともに県内総生産に占める建設投資額のウェイトが高い地域である。新潟県が14.1%、富山県、福井県が13%台、最も低い石川県でも12.0%を占める。ブロックでは13.4%となり、北海道に次いで高い水準にあり、地域経済における建設投資の影響が大きいことが読みとれる(図6)。
図6 県内総生産に占める建設投資の割合(2006年度)
【出典】内閣府「県民経済計算」(06年度が最新データ)、国土交通省「建設総合統計」
また北陸地域は、公共部門の建設投資の割合が北海道に次いで高く、建設投資の約半分を公共部門が占めている(図7)。このため北陸経済は政府の公共事業に対する政策や予算の変化の影響を受けやすい。そのため近年の公共事業抑制の動きは、他の地域ブロック以上に北陸経済にダメージを与えているものと考えられる。
図7 地域ブロック別の公共投資・民間投資の内訳(2008年度)
【出典】国土交通省「建設総合統計」