日本は再成長できる-成熟国の企業と地域戦略

北陸地方の建設業は今-データに見る経営環境と動向-

減少が続く
建設事業者と就業者の数

雇用の場としても北陸経済における建設業の役割は大きい。

北陸地域には、新潟県の11,000をはじめとして、国土交通大臣や各県知事から許可を受けた約28,000の建設事業者がいる(図8)。その事業者のもとで約26万人が建設業に従事しており、それは北陸地域の全就業者の9.5%を占める。およそ10人に1人が建設業に従事しているわけである。

図8 北陸地域の建設事業者数の推移(建設業許可業者数)

各年3月末現在 【出典】国土交通省「建設業許可業者数調査」

これは全国平均の8.2%を大きく上回り、東北や九州・沖縄など他の地域ブロックに比べても高い水準にある(図9)。

図9 全就業者に占める建設業就業者の割合(2009年平均)

【出典】総務省「労働力調査」(2010年1月、速報値)

しかしさかのぼること10年前、2000年には32,000の事業者と36万人の就業者がいた。わずか10年間で、北陸地域では約4,000の事業者と10万人の就業者が、建設業から離れたということになる。

建設業就業者数は1990年代後半から全国的に減少傾向にあり、その動きが現在も続いている。全国では毎年15〜20万人程度が建設業から離れており、2000年の653万人が2009年には517万人にまで減少した。

北陸地域では新潟県中越地震(2004年)や能登半島地震(2007年)、新潟県中越沖地震(2007年)の地震災害が発生。復旧・復興事業が必要になったこともあり、2005年前後には就業者数が増加あるいは減少幅は小さくなっている。しかしそうした需要が一段落した最近では、全国よりも大きな減少率となっている(図10)。

図10 建設業就業者数の推移

全国 北陸
建設業就業者数 (万人) 全就業者に占める割合(%) 前年比 建設業就業者数 (万人) 全就業者に占める割合(%) 前年比
2000 653 10.1 36 12.1
2001 632 9.9 -3.2% 34 11.6 -5.6%
2002 618 9.8 -2.2% 33 11.5 -2.9%
2003 604 9.6 -2.3% 31 10.9 -6.1%
2004 584 9.2 -3.3% 31 10.8 0.0%
2005 568 8.9 -2.7% 32 11.1 3.2%
2006 559 8.8 -1.6% 31 10.8 -3.1%
2007 552 8.6 -1.3% 31 10.8 0.0%
2008 537 8.4 -2.7% 28 10.0 -9.7%
2009 517 8.2 -3.7% 26 9.5 -7.1%

【出典】総務省「労働力調査」

ページの先頭に戻る

北陸の視座バックナンバー