2005年のスキーヤー人口は750万人。スノーボーダー人口は520万人で、単純に合算すると1,270万人となる。2004年(スキーヤー760万人、スノーボーダー430万人)に比べてウィンタースポーツ人口は若干増加しているものの、スキー人口に限れば1993年の1,860万人をピークに、長期的な減少傾向が続いている。
出典:「レジャー白書」(財)社会経済生産性本部
図1 スノースポーツ人口の推移
新潟県のスキー場入り込み客数は1992年度の1,600万人をピークに、2005年は595万人にまで減少。全国のスキー人口の減少よりも早いスピードで入り込み客数が減少している。スキー人口そのものの減少とあわせ、レジャーの多様化による活動回数の減少も要因のひとつと考えられる。
出典:「観光情報」新潟県観光振興課
図2 新潟県のスキー場入り込み客数の推移
長野県や妙高エリアのスキー場に比べて、新潟県湯沢・塩沢エリアのスキー場は日帰り利用も可能で「近い」ことが、東京のスキー客に評価されている。
表1 スキー客の評価
居住地 /エリア | 湯沢・塩沢 | 上信越 |
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東京 |
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新潟 |
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出典:「新潟県スキー観光の活性化に向けて」新潟県
市場の縮小に加えて、スキー場市場に大きな影響力を持つ西武グループの再編・戦略転換もあって、スキー場の休・廃業の動きが全国的に広がっており、新潟県においてもこの傾向は例外ではない。
新潟県内のスキー場の休・廃業動向
<廃業> | <休業> |
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※電話にて確認
魚沼市は、市町村合併により比較的小規模な6つのスキー場を持つこととなった。そのうち奥只見丸山スキー場は、民間経営であること、スキー場までの唯一のアクセスである奥只見シルバーラインが厳冬期は閉鎖してしまうため1月中旬から3月中旬まで営業しないなど、他のスキー場とは異なる性質を持っている。
よって本研究では、魚沼市が運営する5つのスキー場を対象として、分析・活性化プランの検討を行っていく。
表2 魚沼市のスキー場概要
スキー場名 | 所在地 | 経営主体 | リフト数 |
---|---|---|---|
須原スキー場 | 旧守門村 | 市営 | 4基 |
小出スキー場 | 旧小出町 | 市営 | 3基 |
関越国際大原スキー場 | 旧入広瀬村 | 市営 | 2基 |
湯之谷薬師スキー場 | 旧湯之谷村 | 市営 | 1基 |
大湯温泉スキー場 | 旧湯之谷村 | 市営 | 1基 |
奥只見丸山スキー場 | 旧湯之谷村 | 奥只見観光(株) | 5基 |
魚沼市のスキー場利用客の特徴として、湯沢・塩沢エリアの大規模なスキー場が手前(首都圏より)にあるため、関東からのスキー客は少なく、県内の利用客が多いことがわかる。周辺に温泉宿泊施設があるものの、利用客が県内(魚沼市近隣)が多いため宿泊客は少なく、スキーを滑った後は、自宅に帰る傾向がある。なお、宿泊客の大半を占めるのは県外からのスキー教室の生徒である。
※スキー場管理者へのヒアリングによる(図4〜6も同様)
図3 宿泊客と日帰り客の比率(H17年度)
図4 利用客の出発地(県内外の比率)(H17年度)
利用客が地域の人ということもあり、主な利用客層はファミリー(家族連れ)となっている。最近では親のスキー離れから、スキー場に子どもだけ残して帰ってしまう親もいるなどの傾向がヒアリングでわかった。これは、地域内の利用客が多いため、安心して子どもだけで遊ばせられることが背景にある。
図5 主な利用客層の比率(H17年度)
5つのスキー場における主な利用客のプレースタイルはスキーが多いのが特徴である。須原スキー場については若者客が多いことから、若者に人気のボード客が他のスキー場より多いのが特徴である。
図6 スキー客とボード客の比率(H17年度)
平成16年の中越地震及び平成17年・18年と連続した豪雪の影響もあって、減少傾向にある。採算ベースとなる入り込み客数を満足している年はほとんどない。平成17年度については、魚沼市は1億円以上スキー場に補填している現状である。
表3 各スキー場の入り込み客数の推移
(単位:人)
スキー場名 | 17年度 | 16年度 | 15年度 | 14年度 | 13年度 | 採算ベース |
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須原スキー場 | 50,000 | 12,530 | 46,670 | 74,500 | 55,500 | 70,000 |
小出スキー場 | 17,710 | 14,360 | 16,310 | 23,460 | 23,590 | 30,000 |
関越国際大原スキー場 | 10,366 | 8,599 | 12,328 | 10,139 | 9,901 | 12,000 |
湯之谷薬師スキー場 | 14,936 | 13,978 | 12,196 | 14,546 | 14,732 | 20,000 |
大湯温泉スキー場 | 4,100 | 3,900 | 4,450 | 5,250 | 5,850 | 8,000 |
合計 | 97,112 | 53,367 | 91,954 | 127,895 | 109,573 | 140,000 |
※採算ベースはスキー場管理者への聞き取り調査による。
各スキー場の日別ごとの入り込み客数は須原を除いては経営できる入り込み客数ではない。ちなみに、湯之谷薬師においては毎週水曜日の隣接施設「ゆ〜パーク薬師(日帰り温泉施設)」の休業日に合わせてスキー場も休業としている。
表4 各スキー場の平日及び土・日・祝日の入り込み客数
スキー場名 | 平日 | 土・日・祝日 |
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須原スキー場 | 400人程度 | 700人程度 |
小出スキー場 | 5〜6人程度 | 300人程度 |
関越国際大原スキー場 | 10人程度 | 200人程度 |
湯之谷薬師スキー場 | 30〜40人程度 | 150人程度 |
大湯温泉スキー場 | 40〜50人程度 | 150人程度 |
(スキー場管理者へのヒアリングによる)