中山間地域の地域づくり-過疎・自立・対策

日本と地方の行方が見えてくる-日本の「2010年問題」を検証する

医薬品、ITから空港まで
様々な2010年問題

このところ様々な「2010年問題」が話題となっている。例えば医薬品の2010年問題というのがある。世界の医薬品市場では1990年ごろに大型製品の開発と発売が集中した。このため特許が切れる2010年頃に、各社から一斉に類似の商品が発売され、競争が激化するとともに業界の再編が進むことが予測されている。

暗号の2010年問題もある。これは情報通信やセキュリティ分野で、世界標準として使用されている暗号が、より強化されたものに移行するというもの。これに伴いITを中心に世界中のコンピュータシステムの見直しが行われることになる。

時計市場の2010年問題は、機械式時計の主要部品を作っているスイスのメーカーが2010年以降はグループ企業にしか供給しないと発表したことによるもの。スイスの有名企業や世界中の修理業者は、新たな調達先探しや自主開発などの対応を求められている。

日本では、団塊世代の退職が2010年頃にピークを迎える。このため労働人口が一気に減少することへの懸念や、東京のオフィスに空きスペースが増え、不動産市場が冷え込むことなども話題となっている。

地方に関係の深い分野では「空の2010年問題」がある。2010年には羽田空港の拡張が進行し、新滑走路が運用を開始。これに伴い羽田への一極集中が加速して、地方空港から飛んでいる羽田以外に向かう地方路線の減便や廃止が危惧されている。

こうした中で、地方自治体や地域づくり関係者が注目している2010年問題がある。次の3つの法律や制度が2010年に改定時期を迎えるのだ。

  1. 過疎地域自立促進特別措置法(過疎法)
  2. 市町村の合併等の特例に関する法律(合併特例法)
  3. 中山間地域等直接支払制度

この3つはいずれも過疎地域や中山間地域の地域経営に直結する法律や制度だけに、廃止や内容の見直しなど、検討や議論の動向に注目が集まっている。

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