国土形成計画とこれからの地域づくり

データにみる北陸ブロック

国土計画と道州制で意見が分かれた北陸ブロック

2006年(平成18)年2月、首相の諮問機関である第28次地方制度調査会は、今後の地方制度のあり方として「道州制」に向かうことが望ましいとした上で、具体的な道州案として次の3つの圏域(区割り)案を公表(答申)した。

9道州案

  • 北海道(1道)
  • 東北(6県)
  • 北関東信越(5県)
    ※新潟
  • 南関東(1都4県)
  • 中部(6県)
    ※富山、石川
  • 関西(2府5県)
    ※福井
  • 中国・四国(9県)
  • 九州(7県)
  • 沖縄(1県)

11道州案

  • 北海道(1道)
  • 東北(6県)
  • 北陸(4県)
    ※新潟、富山、石川、福井
  • 北関東(5県)
  • 南関東(1都3県)
  • 東海(4県)
  • 関西(2府4県)
  • 中国(5県)
  • 四国(4県)
  • 九州(7県)
  • 沖縄(1県)

13道州案

  • 北海道(1道)
  • 北東北(3県)
  • 南東北(3県)
  • 北陸(4県)
    ※新潟、富山、石川、福井
  • 北関東(5県)
  • 南関東(1都3県)
  • 東海(4県)
  • 関西(2府4県)
  • 中国(5県)
  • 四国(4県)
  • 北九州(4県)
  • 南九州(3県)
  • 沖縄(1県)

9道州案では、「北陸」というブロックはなく、4県は3つの道州に配置されることになるが、残りの2つの案では「北陸」というブロックが位置づけられ、いずれも新潟・富山・石川・福井の4県で構成されている。

地方制度調査会の答申では、3案は並列的に示され、この3案を基本として、各地方を含めて今後さらに日本全体で望ましいあり方を検討していくべきとしている。

答申から4ヵ月後の6月、国土交通省国土審議会の圏域部会が、新たな国土計画で国土形成計画における広域の圏域として、全国を8つの圏域とする区割り案を公表した(北海道と沖縄を除く全国を8つのブロックに区分)。この圏域は、今回の国土形成計画において重要な位置を占める広域地方計画の区域となるものだ。

広域地方計画区域

  • 東北圏(7県)※新潟
  • 首都圏(1都7県)
  • 中部圏(5県)
  • 北陸圏(3県)
    ※富山、石川、福井
  • 近畿圏(2府4県)
  • 中国圏(5県)
  • 四国圏(4県)
  • 九州圏(7県)

この圏域設定では、北陸ブロックは富山・石川・福井の3県で構成する、全国一小さなブロックではあるが独立した圏域として位置づけられた。一方で新潟は、北関東や福島、長野との連携なども検討されつつも、これまでの国土計画と同様に、東北地方に位置づけられた。

道州制は地方自治、あるいは国と地方行政制度の観点から、地方の自主的・自立的な運営の実現や分権的な国家体制を目的として、圏域を設定。広域地方計画区域(国土形成計画)は、地方の独自の戦略に基づく自立した地域づくりの推進、さらには個性ある地域が連なることで魅力ある国土の実現をめざして、圏域設定を行った。

分野は異なるものの、地方の自立と分権的な国家体制、多様性のある国土形成という目的はさほど変わらない。しかし、結果として異なる圏域(ブロック)案が提示され、「北陸」は2つのブロック像を持つことになった。

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