国土形成計画とこれからの地域づくり

データにみる北陸ブロック

新潟との連携が北陸ブロックのポイントに

 データでみる限りでは、富山・石川・福井3県の結びつきや関係の強さに比べて、新潟と他の3県の関係が希薄であることは否めない。3県の県庁所在地が比較的隣接しているのに対して、富山市から新潟市までの時間距離が大きいこともその一因といえる。そして、北陸新幹線の開通で在来線が縮小されると、3県と新潟の距離はさらに広がる恐れもある。

県庁所在地間の時間距離

図

広域地方計画の圏域設定において、四国よりも規模が小さいながら、北陸ブロックが設定された背景を考えて見ると、「雪」「防災」そして「北東アジア」というキーワードが浮かんでくる。

日本有数の豪雪地帯であり、また急流河川を数多く持つ厳しい自然環境は、他地域とは異なる地域整備や地域づくりが求められる。また、今後の重要なテーマである「東アジアとの連携」に関しては、北陸地方は地理的に大きな鍵を握るエリアでもある。

こうした北陸ブロックの特性は、新潟にもあてはまる。自然や地理的な同一性から見れば、新潟が北陸ブロックの一員として、広域的な地域整備や戦略展開を進める方がより有効ではないだろうか。

北陸3県では、全国で最も小さなスケールのブロックとなる。しかし、新潟が連携して4県となれば、新潟港や空港等の基盤を共有でき、さらにそのポテンシャルは一気に大きくなる(図7)。

図7 北陸ブロックのポテンシャリティ(3県 VS 4県)

項目 北陸3県
(富山・石川・福井)
北陸4県
(新潟・富山・石川・福井)
(出典)
人口(2005年) 3,107,347人 5,538,806人 総務省[国勢調査報告]
面積(2005年) 12,621km2 25,204km2 各県HP
総生産(GDP)(2005年) 12兆31,500億円 21兆32,400億円 内閣府「平成15年度 県民経済計算」
農業産出額(2005年) 1,877億円 4,921億円 農林水産省
「平成17年生産農業所得統計第1報」
製造品出荷額等(2005年) 7兆9,884億円 12兆6,777億円 経済産業省「平成17年 工業統計 速報」
年間商品販売額(2005年) 9兆9,097億円 17兆1,249億円 経済産業省「平成16年 商業統計 速報」

広域地方計画では、隣接県との連携を重視して計画策定を行うことを奨励している。道州制の議論も徐々に高まってくることも見据えながら、今一度「北陸」という広域ブロックの枠組みやあり方を考える必要があるのではないだろうか。

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