国土形成計画では新潟は東北ブロック、道州制の枠組みでは北陸ブロックに位置づけられている。国の地方機関をみても、国土交通省、経済産業省、総務省等省庁によって新潟・北陸ブロックの枠組みは異なっている。これでは人の動きや一つの経済圏としてのまとまりが作りにくい。国の決定を待つのではなく、できるだけ早い時期にそれぞれの県が自ら参加・所属する経済圏を明らかにしていく必要がある。
国の地方支分局の区域(主なもの)
省名 | 新潟 | 富山 | 石川 | 福井 |
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国土交通省(地方整備局) | 北陸地方整備局 | 近畿地方整備局 | ||
国土交通省(地方運輸局) | 北陸信越運輸局 | 中部運輸局 | ||
国土交通省(気象地方予報区) | 北陸地方予報区 | |||
国土交通省(海上保安管区) | 第9管区 | 第8管区 | ||
環境省(地方環境事務所) | 関東地方環境事務所 | 中部地方環境事務所 | ||
経済産業省(経済産業局) | 関東経済産業局 | 中部経済産業局 | 近畿経済産業局 | |
農林水産省(地方農政局) | 北陸農政局 | |||
農林水産省(森林管理局) | 関東森林管理局 | 中部森林管理局 | 近畿中国森林管理局 | |
厚生労働省(地方厚生局) | 関東信越厚生局 | 東海北陸厚生局 | 近畿厚生局 | |
財務省(財務局) | 関東財務局 | 北陸財務局 | ||
法務省(法務局) | 東京法務局 | 名古屋法務局 | ||
総務省(総合通信局) | 信越総合通信局 (長野を含む) |
北陸総合通信局 |
(各省HPより作成、平成19年3月末現在)
一つの考え方として、新潟は北関東・信越というまとまりを形成し、北陸ブロックと連携していく方向がある。国土形成計画では示されている案だが、道州制に関しても検討する価値があるのではないか。北関東・信越ブロックは人口約1,170万人、面積約4.2万km2。北陸ブロック(3県)と合わせると約1,500万人、面積は5.3万km2となり、中部や九州ブロックと同規模になる。
この北関東・信越・北陸という地域ブロックには鉄道や道路のネットワーク、また港湾等の社会資本が整備されており、これらは新しい地方圏を形成する上で大きな力を発揮するものだ。こうした基盤を活用して、例えば次のような取り組みを連携して進めてはどうだろうか。
いずれの取り組みにおいても、北関東や長野が加わることで、より大きな経済圏やダイナミックな経済・交流活動が生まれることはまちがいない。
重要なのは新幹線( = 東京)ではなく在来線( = 地域)の使い方である。新幹線は東京に向かう一方通行の輸送方式であり、地域のためではなく、東京のための交通機関といっても過言ではない。それに比べて在来線は地域間をきめ細かく結び、地域間の生活や産業を支えている。これからはこの在来線の拡充と活用方法をブロック全体で考え、進めていくことが重要だろう。
これまでの日本は「国からみた地域政策」によって国土も地域も形成されてきた。その結果は、新幹線と同じように、自分たちの街は素通りし、東京にばかり人、モノ、情報やカネが集中する社会になっている。これからは自分たちの地域から発想して、自分たちの街や暮らしはどうあるべきかを考え、地域性や地域資源を活かした地域づくりを進めていく時代だ。
アジアの時代を迎え、新潟・北陸地域にはこの日本海をどう活かすか、あるいは新しい日本海時代をどう展開していくかが問われている。見るべきは東京ではない。ロシアであり中国や韓国、そして世界なのである。