地方分権と道州制-新しい日本のカタチ

スタートした「ふるさと納税」 1年目にみる各県の動向

栃木県には2億円を超える寄付金が
鹿児島県は788件を獲得

1年目のふるさと納税の結果はどうか。福井県がまとめた2009(平成21)年2月末現在の結果では、寄付金額が多かったのは栃木県の2億2,400万円、次いで岡山県の1億800万円と続く。件数では鹿児島県が最も多く788件、福井県475件、大阪府446件と続いている。(図2)

図2;各都道府県のふるさと納税の受付状況

(件数、金額を公開している都道府県のみ、2009年2月28日現在)

    金額(千円) 件数 平均(千円)
1 栃木県 224,094 28 8,003.4
2 岡山県 108,252 68 1,591.9
3 鹿児島県 60,840 788 77.2
4 大阪府 55,384 446 124.2
5 福井県 33,778 475 71.1
6 徳島県 27,916 151 184.9
7 熊本県 19,574 353 55.5
8 埼玉県 16,418 239 68.7
9 高知県 14,399 179 80.4
10 宮崎県 8,267 33 250.5
11 京都府 7,660 213 36.0
12 新潟県 7,058 77 91.7
13 奈良県 6,886 128 53.8
14 長野県 6,335 139 45.6
15 長崎県 6,148 122 50.4
    金額(千円) 件数 平均(千円)
16 島根県 5,210 75 69.5
17 佐賀県 4,845 134 36.2
18 岐阜県 4,475 34 131.6
19 滋賀県 3,871 41 94.4
20 石川県 3,750 196 19.1
21 沖縄県 3,698 49 75.5
22 富山県 3,680 27 136.3
23 山形県 2,969 51 58.2
24 宮城県 2,545 28 90.9
25 大分県 2,265 50 45.3
26 三重県 2,056 24 85.7
27 岩手県 1,999 33 60.6
28 秋田県 1,813 46 39.4
29 群馬県 1,588 86 18.5
30 福岡県 208 10 20.8

出典:福井県「ふるさと納税情報センター」ホームページ

注)富山県の件数は「人」 栃木県は2008年12月末現在 福井県、熊本県、鹿児島県は市町村との共同窓口分を含む

栃木県、岡山県の場合は件数は少なく、高額の寄付を行った個人がいたため総額が多くなった。一方、鹿児島県はNHK大河ドラマの「篤姫」効果、福井県や大阪府は知事が先頭に立ってふるさと納税を呼びかけたことで、件数が伸びたという分析もある。

鹿児島県の場合、5月に寄付金募集のための推進協議会を設立。さらに6月以降には東京、大阪の県事務所に各5人の専従職員を置いて、県人会や関係企業・団体への働きかけを行ったとのこと。それに篤姫人気が加わって、他県を大きく上回る寄付金件数を獲得できたとのことだ。

1件あたりの平均寄付金額は10万円以下の自治体が多く、件数の多かった鹿児島、福井はいずれも約7万円。大阪府でも12万程度となっている。この3府県は栃木、岡山に続く寄付金額を獲得しており、小額でもより多くの人たちに応援してもらうことの重要性を示している。

北陸4県を見ると、福井県に次いで新潟県が77件で706万円。石川県は件数は196件と多いが金額は375万円、富山県は27件ながら368万円のふるさと納税を集めている。

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