地方分権と道州制-新しい日本のカタチ

スタートした「ふるさと納税」 1年目にみる各県の動向

戦略的な活用が今後の課題

ふるさと納税制度の1年目の件数や金額などからみると、自治体によって取り組みにばらつきがあり、国民への浸透という点でもまだ十分とはいえない状況にある。その意味で、自治体も国民も、ふるさと納税制度を本格的に利用・活用するのはこれからだと思われる。

この制度は地方の自治体にとって、安定的ではないにしろ、減少傾向にある税収を補填してくれる貴重な財源となりうるものだ。出身者だけでなく、できるだけ多くの応援団を獲得し、寄付金という名の「納税」を毎年期待したいところだ。

しかし単なる財源としてとらえるのではなく、やはり他地域に住んでいる「住民」として、様々な接点を持ち関係を深めていく視点と取り組みが欠かせない。寄付行為だけでなく、継続的な情報を提供することで来訪を促し、地域や特産品についてさらに理解や好意を高めていく。それが継続的な特産品購入や定期的な来訪へとつながり、その先の移住やUターンなどにつながる。

他地域に住む人たちとの一過性ではない継続的な関係づくり。今後、ふるさと納税制度をめぐって全国の自治体間の競争が激しくなる中で、北陸の各自治体にはそこに向けての戦略的な取り組みが期待される。

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