農業が盛んな北陸地域でも後継者問題は大きな課題となっている。歴史やブランド力があっても衰退の危機にある農産品を、建設業の人材や機材を活用することで再生をめざすという取り組みが見られる。特に高齢になった果樹の植え替え作業や肥料や資材の運搬、農地の整備等に建設機材を利用しようという事業は多い。一方で遊休地や人材を使って農産物を生産し、それを活用した商品開発に取り組み、新たな地域特産品づくりに挑戦する事業もある。
林業でも作業のための簡易な林道(作業道)整備に、建設業の機材やノウハウが活用できることがわかってきており、さらに実際の森林整備作業や、間伐材を利用しての商品開発での連携も提案されている。
村上茶は北限の茶どころとして400年の歴史を持つが、後継者不足や作付け面積の減少などにより衰退している。建設業と連携して耕作地の拡大を図り、ブランドの再生や観光への活用など地域活性化の新たな核としていく。
全国的なブランドである呉羽梨も、価格の低迷、生産者の高齢化、後継者不足に悩んでいる。建設業と連携して、人材や建設機械を有効活用し、省力化型梨畑の実験的整備や放棄梨畑の再生、直接販売や加工品開発などの取り組みを進める。
富山県東部の山間部は、傾斜の強い地形の上、後継者不足や高齢化によって森林の手入れが困難になってきている。建設業の機材やノウハウ、人材と連携して、作業道を整備し間伐を進める。さらに間伐材を利用した商品開発にも取り組む。