日本は再成長できる-成熟国の企業と地域戦略

北陸地域の元気は回復するか-「建設業と地域の元気回復助成事業」を分析する-

建設業と北陸地域の元気回復への期待

このほか富山の黒部・宇奈月温泉観光活性化協議会は、小規模水力発電所や電気自動車などを利用して、温泉街ぐるみで二酸化炭素の排出を抑制するという、「低炭素社会型観光まちづくりに関する事業」に取り組み、全国的にも注目を集めている。

高齢化や後継者問題などによる課題に取り組む、歴史や地域の魅力を再生する、新たな特産品や魅力の開発に取り組むなど、事業の方向性は多様だが、いずれも地域の資源や連携に基づく確かな事業ばかりのように見受けられる。

建設業もこうした事業に参画することで、事業に伴う直接的な業務だけでなく、遊休地や人材、機材、そしてノウハウなど、自分たちの持つ資源をあらためて確認する機会となる。さらに地域の他産業との連携やネットワークを形成することで、新分野や事業の多角化への展望が開かれることにも期待したい。

事業に対する助成は平成23年2月で終了するが、各協議会ともその先の本格的事業化を見据えて、中長期に取り組む意向を見せているようである。今回の事業を契機として北陸地域の元気回復が実現していくことを期待したい。

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