国土形成計画とこれからの地域づくり

新しい国土計画のポイントは地域振興/東アジアとの連携や新たな政策手段の開発で北陸地方の活性化を促す計画づくりに期待する

TIF

Tax Increment Financingの略語(Incrementとは増加・増額の意)。地域開発等のプロジェクトにおいて、開発後には固定資産税や事業税等の税収が増えることを見込んで、その将来の税収増を返済財源にして資金調達を行う手法。アメリカでは公共政策の一つとして活発に用いられており、行政と企業が協働して行う公共用地の活用や再開発プロジェクトにおいて使用されることが多い。

米大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツが新球場パシフィック・ベル・パークを建設(2000年オープン)した際の例を以下に紹介する。

  1. 市の港湾局が所有する工業・港湾用地を特別用途地域に指定し、 民間資金で新球場を建設することを住民投票で承認してもらう。
  2. 球団(民間企業)と協定を結び、市の保有する土地を貸与する代わりに球場の周辺整備を一体的に行うことを約束し、計画を協働で立案する。
  3. 市は将来の増収分(球団が支払う各種の税金)を返済資金にすることを約束するタックス・インクリメント・ボンド(TI債)を発行して資金の一部を調達。周辺整備などの公共的な部分に冠する開発資金の一部として1,500 万ドルをプロジェクトに提供(資金援助)した。(総開発費は3億2,000万ドル)

(2007年5月)

ページの先頭に戻る

北陸の視座バックナンバー