平成17年7月に「国土形成計画法」が制定され、「国土形成計画」を策定することとされた。
国土形成計画は、国土の利用、整備および保全を推進するための総合的かつ基本的な計画とされ、「全国計画」と「広域地方計画」から構成される。
広域地方計画には8つの広域地方計画区域があるが、富山県・石川県・福井県の三県で「北陸圏」を形成しており、新潟県は東北圏に、長野県は中部圏にそれぞれ属することとなっている(図2)。
図2 広域地方計画区域
出典:国土審議会報告「広域地方計画区域のあり方について」
図3 道州の区域割りの例
出典:第28次地方制度調査会答申
国の第28次地方制度調査会が平成18年2月28日に行った「道州制のあり方に関する答申」では、地方分権を推進し地方自治を充実強化するなどの「検討の方向」や、道州制の基本的な制度設計を示すとともに、具体的な道州の区域割りとして3つの例を示している(図3)。
9道州案では、いわゆる北陸三県は、富山県と石川県は「中部」に、福井県は「関西」に属する形で「北陸」という区域は存在せず、新潟県と長野県はともに「北関東信越」に含まれている。
「北陸」が登場するのは11道州案と13道州案であり、北陸三県に新潟県を加えた四県で「北陸」とされている。また、長野県はいずれにおいても「北関東」に属している。
広域地方計画区域や道州の区域割り案について、人口・面積・GDPの3つの指標を参考に地域の規模を見ると、北陸三県はいずれにおいても四国圏(四県)を下回り、8つある広域地方計画区域の中で最小となっている。しかし、世界の国や米国の州と比較すると、人口ではコネチカット州やパナマ、GDPではマレーシアやアイオワ州とほぼ同等の規模となり、北陸三県でも1国、1州に匹敵することがわかる。
新潟県が加わった北陸四県では、人口やGDPはフィンランドを上回り、北信越五県となると3指標全てで中国圏(五県)をやや上回る規模となる(表1)。
表1 地域の規模の比較
出典:国勢調査報告(2005年)、平成16年度県民経済計算年報、世界の統計2007、
「米商務省国勢調査局」、「米商務省経済分析局」資料
第28次地方制度調査会の答申においては、「道州の区域は、(中略)社会経済的な諸条件に加え、気候や地勢等の地理的条件、政治行政区画の変遷等の歴史的条件、生活様式の共通性等の文化的条件も勘案することが必要である」とされている。
都道府県間の共通性について、人口や産業、生活などに関する「100の指標」から統計的に見たところ、特に北陸三県は高い相関があり相互に似通った性格を持つことが明らかとなった。また、新潟県と長野県との相関についてもある程度確認できる(図4)。
図4 「100の指標」でみる都道府県の相関関係
出典:「100の指標」統計からみた富山 平成18年版