北陸地域における公共交通の課題と展望

次世代型の公共交通サービス導入によるまちづくり 富山ライトレール(LRT)の整備効果を検証する

開業からおよそ1年で利用者数が200万人を突破

平成18年4月に開業した富山ライトレールの利用者数は開業から半年で100万人、およそ1年後には200万人を突破。2年目には開業効果は薄れたものの、年間164万人の利用者を獲得し、2年間でのべ329万人が利用している(図1)。開業から1年半後の乗客数300万人の突破(平成19年10月3日)は、当初の見込みよりおよそ1年も早い達成であった。富山市民の足として定着しているのみならず、各自治体からの視察や観光目的での利用もその大きな要因となっている。

図1 富山ライトレールの利用客数の推移

図

(出展:富山市交通政策課資料)

富山ライトレールは、富山市内北部地区(富山駅北駅〜岩瀬浜駅)を約7.6キロにわたって縦断するLRT(次世代型路面電車)である。利用者が減り、廃線が懸念されていたJR富山港線を富山市が引き受け、路線の一部(1.1キロ)を路面電車化。既存の線路を使用した6.5キロ区間と併用することで、新たな公共交通機関として再生を図った(図2)。

図2 富山ライトレールの路線図

図

(出典:富山ライトレール株式会社HPより)

従来の路面電車との違いは、車両すべてに低床型を導入、全電停(停留所)をバリアフリー化し、揺れを抑える軌道を採用するなど、交通システム全体を高度化したことにある。富山港線から富山ライトレールに生まれ変わったことで、同路線の利用客数は大幅に増加した。

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