北陸の地震被災と日本の課題

災害は時代の流れを劇的に転換させる。北陸の被災体験と震災復興活動がこれからの国土づくりを変える

平井 邦彦 (長岡造形大学教授、工学博士)

モデルとなる復興活動 全国で北陸の情報を活用できるしくみを

被災経験だけではない。今まさに本格的なスタートを切った中越地震の被災地の復興活動からは、中山間地が活力ある地域経営、地域づくりを進めていくための様々な方策や示唆を学ぶことができる。またこれから本格化する能登半島地震や中越沖地震の復興活動からは、離島・半島地域の復興や地方都市の中心市街地における再生について学ぶことができる。それは災害復興という今後起こりうる事態への備えとなるだけでなく、日本の中山間地や地方都市の今後のあり方についても多くの貴重な示唆を与えることになる。

風評被害、安否確認、外国人や高齢者の被災対応、ペット対策など、災害対応にも今日的な課題が生まれている。こうした課題に対しても北陸は経験者として、助言やノウハウの提供が可能である。

関東圏や東海地方での地震発生時の対応についての取り組みやシミュレーションが、個人から国まで、様々なレベルで行われている。人口が集中する関東圏や東海地方に大規模地震が発生した場合には相当な被害が予想される。

近い将来に確実に発生するこうした事態への備えとして、発災時に被害を軽減し、被災者をケアし、早期の復興を進めるために、ぜひ北陸の被災体験や復興活動から生まれた知恵や情報、ノウハウ等を共有・活用するしくみをつくることを提案したい。それは有用な情報を収集・分析・蓄積しニーズや必要に応じて発信・提供する情報センター機能であり、北陸の災害体験を全国で活用できる新しいネットワーク拠点である。

こうした役割を北陸が担うことは、強靭な国土づくりに寄与するとともに、連続して発生した災害に対して全国の人たちから寄せられた支援に対する、北陸からの返礼ともなるものだ。

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